クリスチャン・ボルタンスキー展 公式図録(パイ インターナショナル刊)
東京での初個展として、東京都庭園美術館で開催された「クリスチャン・ボルタンスキー展」の公式図録に、ワックスプラスをご採用頂きました。出版は、魅力的な書籍を次々に世に送り出している、ご存知「パイ インターナショナル」さんです。
何といっても美しい写真が目を引きますが、図録のいたるところに特殊加工やこだわりの紙づかいが盛り込まれています。人間の目はいい加減なもので、実際に訪れた場所にも拘わらず、改めて写真を見つめると、新たな発見があったりと、見ても気付けなかった自分を再発見してしまいました。その時、その場所で感じた「何だか分からない胸騒ぎ」みたいなものを、この図録を見て、また同じ感覚が蘇ってくるとは・・・改めてブックデザインの奥深さを感じてしまいました。
ボルタンスキー氏の直筆サインをワックスプラスで透かし表現させて頂きました。筆跡を細かいところまで再現するため、透明度よりも輪郭を重視し、“エッジタイプ”での加工となりました。画像では分かりにくいのですが、サインの透かし越しに、うっすらと庭園美術館の風景が透けて見えるフシギな仕上りになりました。ひとの目に“より透けやすい”ように、オモテ面はマット仕上げに。
直筆サインのページをめくりますと、庭園美術館の美しい写真が現れます。ワックスプラスによる「透かし」は紙のウラ面から。加工面には、艶が出るのが特長です。(これは使用する紙質によっても出方が変わります。今回は、細い文字のエッジを表現しながらも、できるだけ透明度を上げたいため、当社の抄造紙“HTホワイト62g/㎡”を使用しています。)